【ポール・セザンヌ】の人生と作品を解説｜後期印象派

【ポール・セザンヌ】の人生早見表

1839年　
1月19日、エクス＝アン＝プロヴァンスにて生まれる。

1852年　13歳
コレージュ・ブルボンで、ゾラと親友になる。

1859年　20歳
父親の希望により、エクス大学法学部に入学するが中退する。

1861年　22歳
パリに絵の勉強に行く。
アカデミー・シュイスでピサロと出会う。

1863年　24歳
モネ、ルノワール、シスレーらと知り合う。

1869年　30歳
後に妻となるオルタンス・フィケと出会い、同棲を始める。

1872年　33歳
オルタンスとの間に、息子のポールが生まれる。
ポントワーズでピサロと共作する。

1873年　34歳
ガシェ医師のタンギー爺さんと知り合う。

1874年　35歳
第1回印象派展に「首吊りの家」を出品、買い手がつく。

1875年　36歳
サロンに出品するも、激しい避難にあって落選する。

1886年47歳
親友のゾラが書いた小説「制作」が原因で、ゾラと絶交する。
結婚。
父親が死去。

1890年　51歳
糖尿病が発病する。

1895年　56歳
画商ヴォラールのもとで初の個展開催。

1899年　60歳
作品に高値がつくようになる。

1902年　63歳
ゾラが不審死を遂げる。

1906年　67歳
10月23日、肺炎にて死去。

セザンヌの人生

 

親友【エミール・ゾラ】との出会い

 

13歳の時にセザンヌは、エクスの町の有名校コレージュ・ブルボンに入学しました。

そこで後の親友となる、エミール・ゾラと出会いました。

パリ生まれのゾラは、プロヴァンス地方のなまりがしゃべれず、いつも同級生にいじめられていました。

ある日、いつものようにゾラはいじめられていました。

そこにセザンヌが通りがかり、ゾラを助けました。

 

 

セザンヌは成績も優秀で、バカロレア大学の試験にも合格しました。

銀行家の父親は、セザンヌに銀行を継がせようと法律の大学に入れました。

しかし、文筆家になる夢を語るゾラに刺激されて、画家になりたかったセザンヌは、勉強に身がはいりませんでした。

先にパリに出ていたゾラから、しょっちゅう「早くパリに出てこい」と催促の手紙が届きました。

セザンヌは何度も父親を説得し、その熱意に負けた父親はついに、パリ行きを許しました。

 

期待を胸にパリに出るが、挫折する

 

1861年、夢にまで見たパリでアカデミー・シュイスに入りました。

しかし、美術学校の入試に失敗し、逃げるようにエクスに帰ってしまいます。

父親の言うとうり、銀行の仕事につきましたがこれにも馴染めず、仕事からも逃げるようになりました。

セザンヌを銀行家にすることを諦めた父は、セザンヌを再びパリに送り出し、月々の仕送りをすることを約束して、一人前の画家になるように支援することを決めました。

 

ピサロに習い、劇的に色彩が明るくなる

 

セザンヌは再びアカデミー・シュイスに通いだしました。

9歳年上のピサロはとても親切に接してくれ、1872年、セザンヌはそのピサロの住む町、ポントワーズに滞在して、彼から「戸外に出て、見たものを感じたままに明るい色彩を用意て描」やり方を学びました。

 

 

①

作者　セザンヌ
作品名　「岩の風景」
製作年　1870～71年
所蔵　シュテーデル美術館、フランクフルト

 

②

作者　セザンヌ
作品名　「首吊りの家」
製作年　1873年
所蔵　オルセー美術館、パリ

 

 

しかし、当時印象派は世間からの評判が悪く、特にセザンヌへの避難は凄まじいものがありました。

 

 

作者　セザンヌ
作品名　「誘拐」
製作年　1867年
所蔵　フィッツウィリアム美術館、ケンブリッジ

 

 

セザンヌに秘密の妻子がいた

 

1869年に、モデルのオルタンス・フィケと出会い、3年後に長男のポールが誕生します。

しかし、セザンヌは仕送りが減らされることを恐れて、その事を父親に内緒にしていました。

 

 

【大親友ゾラと絶縁】【結婚】【父親死去】

 

1886年、ゾラが書いた小説「制作」をセザンヌが読んでみると、その内容が「無能な画家が最後に自殺する」ストーリーだったため、セザンヌは自分がモデルだと思い、本を受け取ったことを伝える手紙を最後に、ゾラとの縁を切りました。

その後、セザンヌは実家で雇っていた女中に突然、恋をしてしまい、周りの人達がなんとか落ち着かせようと、内縁の関係にあったオルタンスと正式に結婚させました。

 

 

結婚式の6ヶ月後、壮大な遺産を残し父親が亡くなりました。

 

 

いよいよ絵画が評価され【キュビスム】【抽象絵画】の生みの親とされる

 

1890年以降、それまで評価されずにいたセザンヌの絵画が、物凄い勢いで評価されていきました。

ピサロやモネ、ルノワールらは当初からその才能に気づいていましたが、この時代に入り評論家らもその才能に気づきました。

画商ヴォラールが開いた初の個展は大成功し、絵の価格もうなぎ登りに上がりました。

しかし、セザンヌは質素な生活を続けて、晩年にはエクスにアトリエを建てて、絵の制作を続けました。

 

 

そしてセザンヌは、20世紀芸術の生みの親とされ、美術史上最も重要な画家のひとりとされています。

【ポール・セザンヌ】の傑作絵画集

 

 

作品名　「台所のテーブル」
製作年　1888～90年頃
所蔵　オルセー美術館、パリ

 

 

 

作品名　「自画像(部分)」
製作年　1880～81年
所蔵　ナショナルギャラリー、ロンドン

 

 

作品名　「サント・ヴィクトワール山」
製作年　1902年
所蔵　パールマン財団、ニューヨーク

作品名　「カード遊びをする人々(部分)」
製作年　1890～95年頃
所蔵　オルセー美術館、パリ

 

 

 

作品名　「大水浴図」
製作年　1906年
所蔵　フィラデルフィア美術館、フィラデルフィア

 

 

 

作品名　「赤い岩」
製作年　1900年頃
所蔵　オランジュリー美術館、パリ

 

 

 

作品名　「松の木のあるサント・ヴィクトワール山」
製作年　1887年
所蔵　コートールド美術研究所、ロンドン

 

まとめ