現代美術とは何か?現代アートができるまで!わかりやすく解説!
みなさんは現代美術と言われるとどのようなものを思い浮かべますか?
これが「現代美術だ!」と、言うものはわからないのではないでしょうか?
現代美術はまさに色々な様式がありますからね。
今回はそんな現代美術ができるまでの歴史を、わかりやすく説明していきたいと思います。
この前の時代の美術が知りたい人は、この記事を読んでね。
現代美術の始まり!ダダイズムとは?
西洋世界では何度も戦争を繰り返しており、第一次世界大戦のときには、それまで使っていた武器とは違い、物凄く発達していたので大量の被害者を出していました。
そうした社会の中で人々は、政治やそのような社会体制に不信感をいだき、反発するようになっていきます。芸術は「社会を映す鏡」と言われるほど、芸術家たちは社会の影響を受けます。
そのためこの時代には、批判精神に富んだ芸術作品が多く作られました。
このような批判的な作品が多く作られた動きを「ダダイズム」と呼ばれます。
そのダダイズムの命名者にあたるのが、フランスの詩人「トリスタン・ツァラ」ですが、それがどうゆう意味で付けられたのかはわかっていないようです。
でもそう呼ばれるようになって一斉に広まることになります。
ダダイズムのデュシャン!
中でもフランスにいた美術家「デュシャン」は、既製品をそのまま出品したり、その当時では考えられなっかた素材を使って作品を作り続けました。
彼の作品は「芸術とは何か」と言う、今現在でも答えの出ていない問を訴えかけています。
マルセル・デュシャン(1887〜1968)
作者 マルセル・デュシャン
作品名 「泉」
製作年 1917年 消失(1964年製のレプリカ)
所蔵 ポンピドゥー・センター、パリ
自分が審査員を務める展覧会に、彼はごく普通に売られている既製品の便器に偽名で署名しただけの物を出品します。
今でもこの作品は凄いですよね?だってただの便器ですからね。
でもこの作品は展覧会に並べられるのを拒否されました。
作者 マルセル・デュシャン
作品名 「大ガラス」
製作年 1915〜23年
所蔵 フィラデルフィア美術館、アメリカ
上半分が「花嫁」下半分を「独裁者」で、2枚のガラス板の間には金属片が挟まれています。
この作品は、今のコンセプチュアル・アートの先駆的作品となっています。
彼は「どこからどこまでが美術品なのか?」「美術品とは何かと?」と言う美術の根本を問い続けました。
彼の批判的精神は、見た目よりも背後にある概念のほうが大事だと考えていたようですね。
近代デザインの基礎を作った!バウハウス!
バウハウスとは、1919年に建築家グロピウスを中心に作られた美術学校のことです。
バウハウスでは、家具や食器、壁紙や布地、様々な工業デザインを研究しました。
バウハウスは、2度閉鎖に追い込まれ1933年に解散します。
短い期間の活動でしたが、この学校の取り組みは、その後の近代デザインの思想の骨格になっています。
バウハウスべ教えた画家たち!
パウル・クレー(1879〜1940)
作者 パウル・クレー
作品名 「パルナッソス山」
製作年 1932年
所蔵 ベルン美術館、スイス
スイス生まれのクレーは、物凄い理論家だったようです。
彼は音楽を色で表す「ポリフォニー絵画」など、とにかく色彩に強いこだわりを持っていました。
この作品でもわかるように、微妙な色彩のグラデーションで構成されていますね。
ピエト・モンドリアン(1872〜1944)
作者 ピエト・モンドリアン
作品名 「赤、黄、青のコンポジション」
製作年 1930年
所蔵 個人蔵
ピエトはキュビズムを経て、純粋な抽象化を目指していた「デ・ステイル」運動に加わっていました。
彼の作品は、幾何学抽象画で、現代アートに物凄い影響を与えました。
ワシリー・カンディンスキー(1866〜1944)
作者 ワシリー・カンディンスキー
作品名 「連鎖」
製作年 1935年
所蔵 フィリップス・コレクション、ワシントン
カンディンスキーは、前衛芸術家の集まりの「青騎士」(ブラウエ・ライター)を作り、その後はバウハウスで教育者としても活躍します。
彼の描いた抽象絵画は、モローに始まった抽象化を完成させました。
夢や無意識に想像した世界!シュルレアリスム!
シュルレアリスムとは、夢や無意識に想像したものを描く事を言います。
1924年に創刊された雑誌「シュルレアリスム革命」に、ピカソやデ・キリコ、エルンスト達の作品が掲載され、あっという間に各国に広まり、文学や音楽など様々な芸術分野へ影響を与えました。
シュルレアリスムな画家たち!
ルネ・マグリット(1898〜1967)
作者 ルネ・マグリット
作品名 「大家族」
製作年 1963年
所蔵 宇都宮美術館、栃木県
彼はデ・キリコの作品に感動し、シュルレアリストになります。
彼の作品は、現実にはありえない幻想的な世界を写実的に描くのが特徴で、この作品は愛や団結がテーマとなっています。
ジョルジョ・デ・キリコ(1888〜1978)
作者 ジョルジョ・デ・キリコ
作品名 「街角の神秘と憂鬱」
製作年 1914年
所蔵 個人蔵
この彼の絵は、イタリアの北西部の都市トリノの風景です。
右手前の建物と、左奥の建物の消失点はそれぞれ異なっていて、さらに左下の少女よりも、右上の人物の影のほうが大きく描かれるなど、普通ではありえない形をしています。
この絵を見ていると「不安になって」くると言われているよ。
マックス・エルンスト(1891〜1976)
作者 マックス・エルンスト
作品名 「花嫁の衣装」
製作年 1940年
所蔵 グッケンハイム美術館、ニューヨーク
エルンストは幼い頃から妄想癖があり、妄想した世界を描いていました。
彼の絵にはしばしば、彼が創造した鳥の王ロプロプが登場します。
この絵も主人公が鳥のイメージなっていますが、当時の恋人がモデルと考える人もいます。
現代美術とは?
目まぐるしく変わっていく現代社会の中で、現代美術の定義を決めるのは極めてこんなんです。
科学技術の飛躍的な進歩により、美術の世界も、ものすごいスピードで変化していきます。
もはや「様式」や「技法」など関係なく、「見る人に何かを感じさせる」事ができたら、それがアートなのではないでしょうか?
現代アーティストたち!
マーク・ロスコ
作品名 マーク・ロスコの「シーグラム壁画」による一室
所蔵 DIC川村記念美術館、千葉県
この作品はマーク・ロスコの作品だけを飾った、この部屋の空間全体が作品になっています。
ジャクソン・ポロック(1912〜1956)
作者 ジャクソン・ポロック
作品名 「収斂(No.10)」
製作年 1952年
所蔵 オルブライト=ノックスアートギャラリー、バッファロー、アメリカ
彼はキャンバスを床に置いて、その上から絵の具を落として描く「ドリッピング」と言う技法で描きました。
彼は絵の具がどこに落ちるかわからない、偶然性を利用して描き現在にも多大な影響を与えました。
アンディーウォーホル(1928〜1987)
作者 アンディーウォーホル
作品名 「キャンベル・スープ缶」
製作年 1962年
所蔵 近代美術館、ニューヨーク
なんとこの作品、普通に売られているスープの缶を、ただ大型のシルクスクリーンに写しただけの作品です。
これは、大量生産や大量消費社会に対する批判的な意味が込められています。
彼はこのスープ缶をモチーフにした理由を「毎日食べていたから」と言っていました。
まとめ
どうでしたか?
何か現代アートに通じるものがありましたよね?
このように美術の歴史を見てみると、アートの可能性が「まだまだあるんじゃないかな〜」と思わされますね。
今回の記事がみなさんのアートの発展の何かの役に立つと嬉しいです。
ではまた別の記事でおあいしましょう。