【旧約聖書】イスラエルの王【ダビデ】その生涯と絵画を解説

 

【ダビデ王】イスラエル統一を果たす

 

 

作者　ミケランジェロ
作品名　「ダビデ」
製作年　1501～04年
所蔵　アカデミア美術館　フィレンツェ

 

ダビデは初代イスラエルの王サウルに気に入られ、王に従えていました。

ダビデは、サウル王の息子ヨナタン王子と親友で、サウル王の娘のミカル王女と結婚をしていました。

ある日、サウル王とヨナタン王子は、ペリシテ軍のとの戦いに敗れ、ヨナタンは打ち取られ、サウル王は自害してしまいました。

そして、その報を聞いたダビデは悲しみに暮れました。

 

 

 

 

民たちの声に押され、ダビデは二代目の王につきました。

そして、宿敵ペリシテ軍を打ち破り、イスラエルを統一しました。

 

 

　【ダビデ】のおもしろいエピソード

 

【ダビデ】石ころひとつで【巨人ゴリアト】を倒す

 

ある日、ペリシテ軍がイスラエル軍に一騎打ちの決闘を申し込んできました。

しかし、誰もが巨人ゴリアトに恐れをなして手を上げるものがいませんでした。

そんな中手を挙げたのが、ダビデでした。

ダビデは武具も付けず、武器は石ころを投石器に入れた粗末なものだけで、ゴリアトに立ち向かいました。

 

 

作者　ドナテッロ
作品名　「ダビデ」
製作年　1440年頃
所蔵　バルジェッロ国立美術館　フィレンツェ

 

そして、小石がゴリアトの額に命中して、ゴリアトはあっけなく倒れました。

 

 

すかさずダビデは、倒れたゴリアトの剣を取るとゴリアトの首を跳ねて息の根を断ちました。

 

 

作者　カラヴァッジョ
作品名「ゴリアテの首を持つダビデ」
製作年　1610年頃
所蔵　ボルゲーゼ美術館　ローマ

 

 

作者　レーニ
作品名　「ゴリアテの首を持つダビデ」
製作年　1604～06年
所蔵　ルーヴル美術館　パリ

 

 

人妻と不倫して罪を背負う【ダビデ】

 

ある日、宮殿の屋上を散歩していたダビデは、屋上で水浴していた一人の女性を見かけます。

 

 

作者　ジェローム
作品名　「バテシバ」
製作年　1889年もしくは1895年
所蔵　個人蔵

 

ダビデはその女性が家臣ウリヤの妻、バト・シェバだとわかっていながら、バド・シェバを宮内に召し入れ、あろう事かとこを共にしバト・シェバを妊娠させました。

 

 

 

 

妊娠の露見を恐れたダビデは、バト・シェバの夫ウリヤにあの手この手と策略を立てました。

 

 

ダビデは最終手段として、戦地の司令官に手紙でウリアを激戦地に送り込むよう指示しました。

そしてダビデの思惑通り、ウリヤは戦死しました。

夫を愛していたバト・シェバは、その報を聞き悲しみに暮れました。

 

 

 

作者　レンブラント
作品名　「ダビデからの手紙を持つバテシバ」
製作年　1654年
所蔵　ルーヴル美術館　パリ

 

 

【預言者ナタン】の説教で、自分の犯した罪を後悔する【ダビデ】

 

ダビデに仕える預言者ナタンが、ダビデにある話をしました。

「あるところに二人の男がいました。

一人は数えられないほどの家畜を持った大金持ちで、もう一人の男は一匹の羊を大切に育てる貧しい男でした。

ある時大金持ちの男はたくさんの家畜がいるにもかかわらず、貧しい男が大切にしている一匹しかいない羊を盗んで、客人に料理して振る舞いました。」

ダビデはこの話を聞いて「なんてひどいやつだ、そんなひどいやつは死罪だ」と激怒しました。

そんなダビデにナタンが「あなたのしたことは、その死罪に等しいことと同じだ。あなたはすべてを持っているのに奪った。あなたは神に背いた罰として、生まれてくる子は死ぬであろう。」と言いました。

ダビデは自分のした事の重大さに気づき、激しく後悔しました。

そしてダビデは断食をして神に祈りましたが、ナタンの予言通り生まれてきた子は、七日間苦しんだ末に死んでしまいました。

 

賢王【ソロモン】の誕生と三男【アブサロム】のクーデター

 

夫を失って独身となったバト・シェバを、ダビデは妻の一人として迎えました。

 

 

そして再び妊娠し今度は無事健康な男の子が生まれ、その子は後に賢王として名高いソロモン王となります。

一方ダビデの三男アブサロムは非常に野心家で王の座を狙っていました。

アブサロムはイスラエルの民たちの信頼を集めるため、よく民たちの相談にのっていました。

機は熟したと判断したアブサロムは、謀反を実行に移しました。

ダビデは身を隠しこっそり逃亡しましたが、民たちはダビデを王に選び六百人もの人々が、打倒アブサロムとして立ち上がりました。

 

 

アブサロム軍は二万人ほどの兵がいたにも関わらず、ダビデ軍に大敗を喫しました。

そしてアブサロムは森の中で髪の毛が木の枝にからまり、身動きが取れない状況になっているところを討ち取られました。

 

 

ドイツのミニアチュール
作品名　「木に引っかかって殺されるアブサロム」
製作年　14世紀

 

ダビデは勝利を喜ばず、ただただ息子の死を悲しみました。

 

 

 

作者　ドレ
作品名　「アブサロムの死を嘆き悲しむダビデ」
製作年　1866年

 

【ダビデ王】後継者を選んで亡くなる

 

ダビデはソロモンを後継者に決め、この世を去りました。

晩年は実の子供たちとの権力争いが絶えませんでした。

 

まとめ

 

 

 

参考文献